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…なんか、前髪後退してない?
とある風の強い日、友人からの何気ない一言で前髪の後退を叩きつけられた瞬間でした。
- 風吹けばぼんやりと生え際が気になってしまうモヤモヤ。
- お風呂上がりのちょっと透けてる生え際左右の剃り込み。
M字はげって、治せるのかな…。
治せないとかないよね?
友人からの痛烈な指摘から不安な気持ちが常に頭の片隅にある状態に…。
実は指摘を受ける前に勉強がてら薄毛治療にまつわるライターのお仕事に1年ほど携わっており、当時の記憶と併せて改めて必死で勉強しなおした経験はお役に立てるはず。
本記事ではM字はげが治らないかもしれないという不安を解消し、原因から紐解く治療方法の気になるポイントを解説しました。
どんな人にもやさしく・わかりやすくまとめているので、「難しい用語が苦手!」といった人でも理解しやすいでしょう。
結論としては、「M字はげは治せるけど、治療自体をあきらめてしまう可能性が高い」のでしっかり治療方法のポイントを理解する必要があります。
M字はげは治らない?
生え際の後退が気になりだして気持ちが沈んでいるところに追い打ちをかけるようですが、M字はげが自然に治癒することはありません。
自然治癒ができないだけで適切な治療をあきらめずに継続できれば発症前の状態に戻せる可能性は高くなります。
「あきらめずに継続できれば」という点は超重要なのでしっかり理解しておきましょう。
M字はげの治療には時間が必要
実はM字はげの治療方法は医学的に確立されているので適切な治療を施せば発症前の状態に戻せる可能性はあります。
M字はげは薄毛のなかでも初期症状のようなもの。大抵の場合は薬を服用した治療になる場合が多いしょう。
薬を服用する治療は途中でめんどうになって止めてしまうことが珍しくはありません。
というのも、効果を実感するまでに長い時間が必要だから。
残念ながら時間をかけて治療してもM字はげが完治する日は訪れません。
多くの人が治療をあきらめてしまう要因はM字はげが完治しないという事実があったのです。
本気でM字はげの治療に取り組むなら、「薬の服用は一生付き合うもの」と思うくらいでちょうど良いのかもしれません。
ちなみに、治療に時間が必要な理由は人間の髪の毛が成長〜抜け落ちるまでの周期を指す「ヘアサイクル(毛周期:もうしゅうき)」が乱れることが要因に。
ヘアサイクルについては別記事で解説しているので参考にしてください。
※内部リンク:「ヘアサイクル△とは」
- 乱れたヘアサイクルを正常な状態に戻すには6ヶ月以上の期間が必要
- 薬の効果を実感できるまで長期的な目線が必要。
M字ハゲは手遅れ前の早期治療がポイント
M字ハゲの症状を放置してしまうと、末期症状のU字ハゲになってしまう危険があります。
U字ハゲになると投薬治療での回復が難しく、毛根の移植手術を施す大掛かりな治療で膨大な費用がしょうじることも。
次のような初期症状を感じたら、早めに対処するようにしてください。
- 髪の毛が薄くなる
- 髪質が変わる
- 抜け毛が増える
手遅れになる前に初期症状の段階で専門医に相談して適切な治療を施しましょう。
M字ハゲとAGAの関係
M字ハゲは進行性の男性型脱毛症、通称:AGA(Androgenetic Alopecia:アンドロゲネティック・アロペシア)と深い関係があります。
AGAは「ヘアサイクル(別名、毛周期:もうしゅうき)」と呼ばれる髪の毛が成長して抜け落ちるまでの一連の周期を通常時と比べて短くしてしまう脱毛症。
髪の毛1本に対するヘアサイクルは40周を目安に寿命を迎え、最後に抜け落ちた毛根からは二度と髪の毛が生えてきません。
一度でもAGAの症状が出たら自然に治癒する可能性はなく、薬の服用などで治療していくほかないでしょう。
M字ハゲを見分ける
M字ハゲは発症してから見分けるのが難しく、わたしも前髪左右の生え際が徐々に剃り込み状に薄毛になっている状況を見逃してきました。
最もシンプルな見分け方は、前髪の左右の生え際に指2本分以上の後退がないか過去に撮影した自分の写真と現在の自分を比べる方法が後退具合を比較しやすくておすすめです。
過去と比べてあきらかに生え際の後退が確認できた場合、AGAを原因とするM字ハゲの可能性が高いでしょう。
なかには過去の写真と比べても変化がほとんどなく、「生まれつきM字型の額だった。」なんて場合もあるようです。
実は医学的な観点でM字ハゲの明確な基準が示されているわけではありません。
最終的には周りの反応や自身の感覚が重要な基準だったりします。
M字ハゲのよくある原因
M字はげになる原因として、以下の5つの原因が挙げられます。
- AGA
- 牽引性脱毛症
- 生活習慣の乱れ
- ストレス
- 生まれつき
M字はげに至る根本的な要因は、「頭皮の血行不良」や「毛根の不活性化」、「頭皮環境の悪化」のような頭皮に悪影響を及ぼす状態に陥るから。
頭皮に悪影響を与えている5つの原因を紐解いていきましょう。
原因1. AGA〜男性型脱毛症〜
M字ハゲの原因は進行性の男性型脱毛症(AGA)が原因になるケースが最も多いとされています。
AGAは男性ホルモンとタンパク質由来の酵素が結びつき、脱毛指令を発して髪の毛の源である毛根が機能を失うことに(毛根の不活性化)。やがて機能を失った毛根から抜け毛が起こるという仕組みです。
一度でも脱毛症状を発症してしまうと完治は難しく、市販の育毛剤や頭皮マッサージなどでは好転は見込めません。
M字はげは薄毛の初期段階であり、適切な処置を施せば薬の服用などで症状の進行を遅らせて発症前の状態に戻せる可能性があります。
反対に症状を放置すると末期症状のU字ハゲやO字ハゲなどへ悪化して薬だけでの治療が困難になる危険性が考えられるでしょう。
M字はげが疑われるようであれば、間違っても独断や偏見で自己判断せずに専門の医療機関の適切な診療をもとに対処してください。
原因2. 牽引性脱毛症
髪を強く引っ張り続けるような髪型を一定期間続けると、「牽引性脱毛症」を引き起こして髪の毛が抜けやすくなります。
前髪を後ろに引っ張るような髪型は症状を発症しやすく、頭皮への負荷が強い髪型は血行不良を引き起こして髪の毛が細く弱り抜け毛に至るというもの。
男女関係なく悩まされる場合がありますが、なかでも特に女性が牽引性脱毛症の悩みを抱えやすいと言われているようです。
日本皮膚科学会では以下の髪型について注意するよう、表明しているので参考にしてください。
- ポニーテール
- 編み込み
- 三つ編み
- お団子 など
カチューシャやヘアバンドを使用して常に同じ分け目がキープされる髪型も頭皮に負担が生じるので、定期的に髪型を変えるなど対策を取ると良いでしょう。
男性型脱毛症ではないのでAGAクリニックのような専門医に頼るほどではなく、牽引性脱毛症の懸念がある場合は皮膚科などで診察を受けると良いでしょう。
頭皮の健康を考えるのであれば、男女ともに頭皮に負担の少ない髪型を心がけたいところ。
原因3. 生活習慣の乱れ
不規則な生活習慣を続けるとM字ハゲの原因になります。
バランスの悪い食事をはじめ運動不足や睡眠不足が続くと血行不良となり、髪の成長に必要な栄養が頭皮に行き渡りません。
人間のエネルギー源となる食事は髪の毛にとっても同じこと。
特にタンパク質や亜鉛、ビタミンが重要な栄養素が不足すると血行が悪くなるので頭皮の血管をとおして髪の毛に必要な栄養素が充分に運ばれません。
運動不足の場合も同様に血の巡りが悪くなり、髪の毛に必要な栄養素が頭皮に行き届かなくなります。
また、人間は一生のうち約3分の1の時間を睡眠に使うと言われ、生きるためには欠かせません。
髪の毛の成長においても例外ではなく、睡眠時間が短いと成長ホルモンが充分に機能せず髪の毛の成長を邪魔してしまいます。
原因4. ストレス
肉体的にも精神的にも日常生活で生じるストレスが過剰になれば、交感神経や副交感神経を束ねる自律神経のバランスが崩れてしまいホルモンバランスの乱れに繋がります。
※自律神経について詳しく知りたい人は「【自律神経とは】概要をサクッと解説!乱れる原因や整え方もわかりやすく紹介」も参考にしてください。
慢性的にストレス過多な状態が続けば髪の毛に必要な栄養素が運ばれずに髪の毛が細く弱って抜け毛に繋がってしまう。
日々、仕事にプライベートに奮闘する社会人の皆様はもちろんですが、実は10代や20代の思春期の若者が特にストレス性の抜け毛に悩まされることも。
勉強、部活、人間関係など環境の変化が目まぐるしい学生はストレスを強く感じやすいというのは頷けます。
多感な時期にある若者だからこそ薄毛の悩みも相談しにくいかもしれませんが、手遅れになる前に皮膚科などでまずは相談しましょう。
原因5. 生まれつき
額の広さには個人差があり、M字はげの心配をしている人のなかには「生まれつきM字型の額だった」なんてことが充分にありえるでしょう。
幼少期から生え際の形がM字型のままであれば、AGAのような進行性の脱毛症ではないと考えられますね。
生まれつきM字型の額を富士額(ふじびたい)と呼ばれ、ゆるやかなカーブで富士山のような形が特徴です。
生え際がハート型のように見えることがあり、日本では昔から美人の象徴とされています。
M字ハゲの効果的な治療方法
M字はげの原因のなかでも、AGAによる脱毛症は医学的に治療方法が確立されています。
AGAの治療方法について、おおまかにでも理解しておくことで実際に専門医に相談する際にも診断結果をより深く理解できる可能性があるかもしれません。
ここでは内服薬をはじめ外用薬や注入治療、自毛植毛といった4種類の方法を紹介します。
治療方法1. AGA内服薬
M字ハゲの原因がAGAの場合、効果的な治療に利用されるのは内服薬です。
内服薬にはフィナステリドとデュタステリドの2種類の成分に大別されます。
いずれも成分名が薬品名や商品名になることが多くあり、乱れたヘアサイクルを正常に戻して症状の進行を防ぐ効果が期待される守りの治療方法。
成分名 | 効用 |
---|---|
フィナステリド | ※5aリダクターゼⅡ型に作用 |
デュタステリド | ※5aリダクターゼⅠ型とⅡ型の両方に作用 |
内服薬を服用してから効果を実感するまでには、およそ6ヶ月以上の期間が必要となるようで稀に副作用を起こす場合もあります。
服用を検討する場合は市販品を自己判断で使用するよりも専門医から処方された薬を指示通りに服用してください。
「5aリダクターゼ」はⅠ型とⅡ型に分類され、M字ハゲを引き起こす元凶と言えるでしょう。
なかでも生え際にたくさん存在する5aリダクターゼⅡ型がテストステロンと結合して、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成をきっかけに発症します。
5aリダクターゼについては別記事「5aリダクターゼとは?AGAの原因だけど実は〇〇!種類と抑制方法もわかりやすく解説
」でも解説しています。
治療方法2. AGA外用薬
外用薬はミノキシジルという有効成分が薬名として浸透しており、(※)日本皮膚科学会のガイドラインでは高い有用性が認められている優良なAGA治療薬。
300名の男性被験者を対象とした観察期間24週までのランダム化比較試験が行われ、脱毛部1cm内の非軟毛数のベースラインからの増加は,1%ミノキシ ジル群が平均21.2本,5%ミノキシジル群が平均26.4と、5%ミノキシジル使用群で有意に増加した (“男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版”)
外用薬はミノキシジルといった有効成分が商品名にされていることが大半でしょう。
ミノキシジルの効用は、血管を拡張させて血流を良くして髪を育てるのに必要な栄養素を頭皮に運びやすくする効果が期待されています。
ただし、効果が得られるのは毛根がまだ生きている部分に限られ、すでに毛根が死滅している部分に使っても効果は得られないので注意してください。
参照元:日本皮膚科学会|男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
※別記事へのリンク予定(「ミノキシジル 効果ない」など)
治療方法3. 注入治療(メソセラピー)
M字はげが気になる箇所に有効成分を投与する注入治療(メソセラピー)。
頭皮の深くまで有効成分を浸透させ、短い期間で髪の毛が育つ効果が期待されています。
注入治療はあくまで内服薬の補助であり、単体で採用されることはありません。
主な投与方法は注射器やレーザー照射、針付きローラー、炭酸ガスなどの方法があり、2〜3週間に一度のペースで投与するのが一般的。
注射が苦手な人は炭酸ガス、レーザー照射など痛みの少ない方法も選択できる場合もあります。
治療を検討される際は専門医に相談してみると良いでしょう。
治療方法4. 自毛植毛
薬を使用した治療でも効果を実感できなかった場合、最後の砦となるのが自毛植毛です。
自毛植毛は脱毛症状ではない健康な自分の髪の毛を毛根組織ごと採取して脱毛した部分に移植する外科手術。
後頭部や側頭部の髪の毛を毛根ごと採取し移植するので、もともと生えていない部分に髪の毛を生やせるうえに半永久的に維持できます。
さらに移植した毛根が定着したら自毛植毛の治療は完了するので、毎日薬を飲んだり塗ったりする手間が掛からないのも魅力。
余計な手間暇がなく効果を実感するまでが時間を要しない反面、費用はAGA治療のなかでも高額になりやすい傾向にあるでしょう。
移植する毛根の数にもよりますが、移植数が多いと100万円を超えることも。
安くない治療費になるケースが考えられるので、自毛植毛を検討する際は専門のクリニックでしっかり相談したうえで慎重に判断していきましょう。
M字ハゲは手遅れになる前に早めの治療が大事
手遅れになる前にできるだけ早めに専門の医療機関に相談して治療をはじめましょう。
AGAを原因としたM字ハゲを発症した場合、完治はまず期待できません。
ですが医学的に治療方法が確立されているので諦める必要はないのです。
なぜなら、専門の医療機関で診察してもらい適切な処置と薬の処方を受け、治療を継続できれば脱毛症状がでる前の状態に戻せる可能性は充分にあるから。
M字はげが治らないと言われる理由は、治療をはじめても継続できずに挫折してしまうことからきているのでしょう。
薬を服用した治療をはじめて効果が現れるまでには、最低でもおよそ半年以上の期間を覚悟しておく必要があります。
放置すれば症状は悪化していき、薬の服用では治療自体が困難になる危険があるので「本気でM字はげをなんとかしたい」と考えているのであればすぐに治療を開始しましょう。